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シャインマスカットのふるさと、山梨県勝沼を訪ねて。

ぶどう農家取材_画像

みなさんは勝沼という地名を聞いたことがありますか? 世界的に知られるワインの名産地なので、ワイン通の方はご存じではないでしょうか。ワインの名産地ということは、もちろんぶどうの名産地でもあります。場所はシャトレーゼと同じ山梨県甲府盆地。勝沼はその東端で見渡すかぎり、ぶどう畑が広がっています。実はシャトレーゼの創業者も、勝沼のぶどう農家出身。勝沼には自社ワイナリーもあり、ここはシャトレーゼにとって、とてもなじみのある身近な場所なのです。

甲府盆地_画像

9月から始まったシャインマスカットフェアの多くが、この勝沼で収穫されたぶどうを使用しています。お菓子に使っているシャインマスカットがどんな場所で収穫されているのか、勝沼のぶどう農家さん、中野さん、佐々木さん、平山さんにお話を伺ってきました。勝沼は名産地としての誇りをもった農家さんが多く、育て方の工夫などのこだわりも強いのだとか。どのように育て収穫しているのかレポートします。

ぶどう農家_画像

3種類に振り分けられる、シャトレーゼのシャインマスカット。

ぶどう農家_画像

訪れたのは9月の初旬で、まだ今季のシャインマスカットの収穫が始まったばかり。シャトレーゼのお菓子のために栽培されたシャインマスカットは、色つやを良くするために袋をかけたまま収穫されていました。早朝から8時ごろまで、傷がつかないよう、粒が落ちないよう丁寧に収穫し、袋ごとコンテナへと集めていきます。コンテナにたまったぶどうは袋から取り出し、贈答用、商品用、ジュース用の3つに振り分けていきます。形がきれいで一房600g以上のものは贈答用。それ以外の色つやの良いものは通常のお菓子用。そして、色つやが基準未満のものがジュース用です。コンテナはシャトレーゼの社員がなるべく直接引き取りに行きます。農産課の担当者が集荷に行くことで、ぶどうの品質が畑で確認できることはもちろん、農家さんと直接顔を合わせることで信頼関係も生まれていきます。ピーク時は1日当たり、なんと約2トンのシャインマスカットがお菓子工場に届きます。

ぶどう集荷_画像

3つに振り分けたぶどうとは?

シャインマスカット_画像

○お菓子用ぶどう
ケーキなどのお菓子に合わせて、粒の大きさが均一になるよう育てたぶどう。シャインマスカットの粒は一般的に大粒が喜ばれますが、一粒一粒が大きすぎると、お菓子に乗せたり入れたりした際に見栄えやバランスが悪くなるので、適度な大きさを心掛け、お菓子の甘さに負けないくらいの甘さにしています。

○贈答用ぶどう
この畑では年間約5万房を育てているのですが、その中でもわずか100房ほどが贈答用として出荷されています。シャトレーゼの通販カシポポイントの特典で使われている箱入りシャインマスカットは、5万分の100という選りすぐりの逸品。通販ページで期間限定で販売していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

○ジュース用ぶどう
一般的に見た目が重要なシャインマスカット。形が悪くて農家さんの中には捨ててしまうような不格好なぶどうでも、味が良ければシャトレーゼではジュース用という区分でコンテナごと買い取り、廃棄ロスを防いでいます。ジュース用が使われている商品はスムージーなど。お手頃価格なのに、高価なシャインマスカット果汁が使える秘密はこんなところにあったのです。ひとつひとつの小さな無駄のカットや効率化でシャトレーゼのお菓子ができている良い例かもしれません。
※現在山梨県産シャインマスカットMixのスムージーは取り扱いがありません。

ちなみに、取材中にジュース用ぶどうのコンテナを発見したのですが、中に入っていたぶどうは見た目が立派。なぜケーキ用のコンテナに入れないのか聞いてみたところ「勝沼ではプライドとしてこれは通常出荷できないレベル」だそう。そもそも品質の高い勝沼のぶどう。ジュース用と言っても、私たちが普通に食べるのには十分立派なぶどうでした。

朝に収穫する理由とは?

勝沼で良質なぶどうが育つのには理由があります。それは、水はけの良い土壌と日照時間の長さ、そして昼夜の寒暖差が大きいことです。なかでも、昼夜の寒暖差は糖度に影響し、寒暖差が大きければそれだけ甘くなると言われています。先ほどもご紹介した通り、勝沼の農家さんは朝に収穫することが多いそうです。朝に収穫すると、夜に蓄えた糖分を使い切る前に収穫できるので、1日で1番甘い状態のシャインマスカットが収穫できるのだとか。糖度のために収穫する時間にまでこだわっているのですね。

ぶどう畑_画像

収穫期だけじゃない!1年中かけて育てるシャインマスカット。

今回は9月の収穫時期に合わせて畑に訪れましたが、農家さんは1年を通してシャインマスカットを育てています。10月の収穫直後から始まり、冬を越え、農繁期を迎え、収穫へと向かう一年のスケジュールとポイントを聞いてみました。

①秋の収穫後(10月上旬)
すぐに土に肥料をまき、次の収穫への準備が始まります。来年のために土をいたわる期間を設けるのが冬です。
②春(3〜4月)
地面が暖かくなるとともに、樹が土壌中の水分を吸い上げる「水揚げ」が始まります。すると枝の切り口からぽたぽたと水滴が落ちてくるように。「ぶどうの涙」とも呼ばれるこの光景が、その年のぶどうづくりの始まりを知らせます。
③初夏(5〜7月)
農繫期と言われるこの時期は大忙し。枝が伸びて、花が咲き、房に実がなり・・・と樹のサイクルに合わせてさまざまな作業を行います。農繁期に主にやることは以下の通りです。
〈誘引〉
ぶどうの樹は放っておくと、日光に向かって上へ上へと伸びてしまい、房が傷ついてしまいます。それを避けるために枝をテープで網に留める作業をして、房が傷つかないようにしていきます。
〈房づくり〉
ぶどうが開花期を迎える6月頃、房づくりをします。房づくりとは、一房にできるぶどうの数を調整すること。何もしないと形がいびつになったり、栄養が行き渡らなくなったりします。
〈種なし処理〉
一房一房ジベレリン処理をして、種をなくしていきます。
〈摘粒〉
大きく育った形を想像しながら粒の大きさが均一になるよう、実を間引きしていきます。これを摘粒(てきりゅう)と言い、一粒一粒がスイーツに適した、ちょうど良い大きさのぶどうになるよう手をかけていきます。
〈傘・袋かけ〉
害虫や風雨を防ぐために傘や袋かけを行います。傘だけだと不十分で、害虫だけでなく、日焼けや風雨の影響も防ぎたいので、収穫後までは袋をつけたままにします。

④晩夏(8月末~9月)
シャインマスカットを収穫します。収穫後は、コンテナに入れて直接シャトレーゼの工場へと運ばれていきます。

これが一年間のスケジュール。多くの時間と労力が、あのパンパンに張った、おいしい実を作っているのですね。

お菓子のために農家さんに大切に育てられたシャインマスカット。もちろんシャインマスカットは季節限定となりますので、気になった方はお早めにご来店ください。お菓子については前回のシャトレーゼニュースで詳しく紹介しています。ぜひこちらもご覧くださいね。

契約農家さんが育てた新鮮なシャインマスカットをスイーツで堪能しよう