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アイスもシュークリームもおいしい牛乳が支えてる。契約牧場から毎日届くしぼりたて牛乳のこと

スイーツの半数に使われる牛乳は、大切だけど難しい

シャトレーゼには、スイーツが全部で約400種あります。そのうち、牛乳が使われているのは約半数。それほどお菓子づくりにとって欠かせない材料ですが、他の材料と比べて賞味期限が短く、劣化しやすいのもまた牛乳です。だからこそ、おいしいお菓子をつくるために牛乳の風味や鮮度は大切です。
ではシャトレーゼでは、どのような牛乳を使って、どのように鮮度を守っているのか、その秘密をご紹介するために契約牧場のひとつにお邪魔してきました。その舞台裏には大変な労力とこだわり、そして愛情があることを知りました。

牛乳のおいしさがよくわかるシャトレーゼの代表作

まずは、シャトレーゼ自慢の牛乳をつかった商品のうち、代表的なものをご紹介しましょう。他にもまだまだたくさんありますので、ぜひ店頭をのぞいてみてください。
これからの季節に牛乳の味をストレートに楽しみたいならこれ。まるで牧場で飲む牛乳をそのまま再現したような味わいをアイスで実現しました。ほどよい軽さもありながら、しっかりとしたコクを感じられるアイスです。

八ヶ岳契約牧場 しぼりたて牛乳バー 宇治抹茶/珈琲/いちご/ミルク
1本各 70円(税込75円)
同種6本入各 340円(税込367円)
八ヶ岳契約牧場 しぼりたて牛乳アイス
1個 120円(税込129円)
4個入 400円(税込432円)
八ヶ岳契約牧場 しぼりたて牛乳アイスモナカ
1個  110円(税込118円)
4個入 340円(税込367円)

牛乳の楽しみ方として忘れてはいけないのがヨーグルト。牛乳の風味はそのままに、シンプルなプレーンタイプのヨーグルトにしました。毎日の習慣に取り入れやすいさらりとしたのど越しです(オリゴ糖入り)

しぼりたて牛乳のむヨーグルト プレーン
1本 120円(税込129円)

ポイントは、輸送は「早く」殺菌は「ゆっくり」

中央自動車道・長坂ICを降りて、清里方面におよそ40分。高原をしばらく走ると、県境を越えて長野県に入ります。日本で一番標高が高い駅として知られる「野辺山駅」のほど近くに、シャトレーゼの契約牧場のひとつ「新海牧場」があります。標高は約1,375m。真冬には氷点下30℃になることもあるといい、夏でもひんやりとしてキリっと身が引き締まるような空気に包まれています。
ここは、この地域に50軒ほどある酪農家のうちのひとつで、広大な敷地に大きな牛舎が2棟、そのうち1棟は2018年に完成した新牛舎です。天井が高く、きれいに掃除が行き届いているせいか、想像していた牛舎よりも明るい印象を受けました。牛舎には400頭のホルスタイン牛(一部和牛)がズラリと並びます。日本の酪農家が飼育する平均的な牛の数が約80頭なので、400頭というのはかなり大きな規模です。私たちが牛舎に入ると、牛たちが一斉にこちらを向いて、まるで歓迎してくれているかのようでした(笑)

▲牧場は野辺山高原の標高1,375mに位置します

▲2018年に新設された牛舎。明るく広々とした印象
シャトレーゼでは、この新海牧場と、さらにここから車で7分ほどのところで乳処理を行う株式会社ヤツレンを経由して牛乳を仕入れています。
絞られたばかりのお乳は「生乳」と呼ばれます。まずステンレスのタンク「バルククーラー」に集められ、急速に冷却することで乳質の劣化から守られます。これを、ヤツレンが温度や匂いを確認した上で1日2回回収します。ヤツレンの工場内ではさらに厳しい検査を行い、必要な下処理を行ってからシャトレーゼの工場に向けて出荷します。
最初のポイントは、牧場、乳処理工場、シャトレーゼの工場がとても近距離にあること。地元牧場から直接仕入れることで、輸送にできるだけ時間をかけず、鮮度を守ることができます。搾乳からシャトレーゼの工場に届くまでは約2日。商品になるまでは3日以内という早さです。
もうひとつのポイントは、シャトレーゼの工場で行う「低温殺菌」です。一般的に行われる「高温殺菌」に比べて、時間をかけてゆっくりと殺菌していくので作業効率は悪くなるのですが、その代わり牛乳本来の風味を残すことができます。輸送は早さが大事なのに対して、こちらは「ゆっくり」であることが大事なのです。

▲牛のお乳にセットする搾乳機(ミルカー)。この消毒も大切な作業

▲絞られた生乳はヤツレンのスタッフが回収します

牛だって人が世話をしてあげたらうれしいに決まってる

素早い輸送と低温殺菌は大事なポイント。とはいえ、そもそもの牛乳の味がおいしくなければいけません。乳脂肪分と濃度が高いと評判の新海牧場の牛乳はなにが違うのでしょう。そこには大変な労力と愛情がありました。
牧場の1日は朝5:30から始まります。エサやり、搾乳、掃除というサイクルを1日2回、その合間に仔牛の世話やエサの整理などをこなします。休憩をはさんで13時間を超える作業を1年365日。スタッフは交互に休みをとるそうですが、「牛には盆も正月もありません!」。子育てに休みがないように、牛にも休みはありません。
搾乳をする牛は約330頭。搾乳できるのは1頭あたり約34ℓなので、1日に約11tのお乳が搾られることになります。 「いちばん慎重にしていることはストレスを与えないことです。牛は暑いこと湿度が高いことがストレスになります。この地域は標高が高く夏場の日中でも30度に達しないので、牛にとっては過ごしやすい場所だと言えます。また、牛は意外と神経質で音や光にも過敏に反応しますし、匂いや風味を少し変えただけでエサを食べなくなってしまうこともあるんですよ」
牛を見ていると、のんびりした表情でのんびり動くので、なんだか呑気な性格なのかな、と思っていましたが誤解だったようですね(笑)気温、湿度、音や光まで影響してしまうとは驚きました。毎日の作業のなかで、牛舎の掃除にたくさんの時間を割いているのはそのためだったのですね。

▲エサを与えたあとには必ず残ったエサの整理をします
もうひとつ大切なこととして挙げられたのは、やはりエサです。
この牧場では、自社の高原で育てた牧草を中心に、オーツヘイ(繊維をたっぷり含んだ牧草)、アルファルファ(マメ科の多年草)、大豆、とうもろこし、ビール粕などの穀物をミキシングしたものを混ぜて与えています。牛の年齢や体調も考慮し、内容を調整します。輸入のものを使う際には、ポストハーベスト農薬が含まれていないことを確認するなど、エサの安全にも気をつかいます。

▲エサと水、ミネラル補給に塩が置かれています

▲自社の高原で育った牧草は6~9月と10月の2回収穫
ストレスのない環境と安全なエサ。そして、 「なにより一番大切なことは、人の手と愛情をたっぷりかけることです。牛だって生き物ですから人に世話された方がいいに決まっています。一頭一頭愛情を持って接すれば、おいしい牛乳になると信じて飼育しています」 と力強く語ってくださいました。
おいしさの秘密は愛情をかけること。実際に牧場での作業を見ていると、それが当たり前ではないことがわかります。400頭の一頭一頭に対してエサを与え、牛舎を掃除し、乳を絞る。どんなに寒くても、天気が悪くても1日足りとも1回足りとも休まない、ということの大変さは想像を超えるものです。おいしい牛乳は、酪農家の皆さんの真摯な仕事ぶりがあってはじめて可能になる、貴重な結晶なのだと、現場を見ることではじめて知ることができました。
手間と愛情を込めて牛を世話する契約牧場や契約工場の皆さんの姿勢が、牛乳を通して伝わるから、シャトレーゼの工場でも丁寧な作業でスイーツをつくろう、というやる気が生まれるのです。これからもお互いの仕事を通して、切磋琢磨しあえる関係を続けられたらいいな、と思いました。

▲ビール粕をコンテナで運びます

▲生まれたばかりの仔牛
<取材協力>
株式会社新海牧場
株式会社ヤツレン 野辺山乳製品直売所
長野県南佐久郡南牧村野辺山79-7
電話: 0120-190-820
営業時間:8:30~17:00
URL:http://yatsuren.jp
*新海牧場でつくられた牛乳を購入することができます(シャトレーゼ工場で使用しているものとは異なります)